年末が近づいてくると、挨拶の締めに「良いお年をお過ごしください」と書きたくなる場面、増えますよね。けれど「これは正しい日本語なのかな?」「目上の人にも使って大丈夫?」と、いざ送信前に手が止まる方も多いはずです。
「良いお年をお過ごしください」は、一見とても丁寧に聞こえる表現です。ただ、似たフレーズの「良いお年を」「良いお年をお迎えください」との違いを知らないまま使うと、実は少しちぐはぐな印象になることもあるんです。
例えばこんな疑問はありませんか?
「『お過ごしください』は誤用って聞いたことがあるけれど本当?」
「いつからいつまで『良いお年を』と言うのが自然なんだろう?」
「上司や取引先へのメールでは、どの表現がいちばん無難なのかな?」
そんな迷いをまとめて解消できるように、意味の違い・使える時期・ビジネス例文・喪中への配慮・英語表現までを、実際の会話やメールをイメージしながら整理していきます。
良いお年をお過ごしくださいの意味と「お迎えください」との違い
最初に押さえておきたいのは、フレーズごとの「ざっくりイメージ」です。細かな文法の話よりも、このイメージを持っておくと、日常の判断がぐっとラクになります。
迷ったときは「残りの年末をねぎらう言い方」か、「新年そのものを祝う言い方」かで考えると整理しやすくなります。
「良いお年を」「お過ごしください」「お迎えください」の基本イメージ
3つの言い方を、まずはざっくりと並べてみます。
| フレーズ | どこを指しているか | ふだんのイメージ | 主な相手・場面 |
|---|---|---|---|
| 良いお年を | 新しい年全体 | 軽めの年末の挨拶 | 友人・同僚・日常会話 |
| 良いお年をお過ごしください | 残りの年末の期間・年越しまでの時間 | 「年末を元気に過ごしてね」のニュアンス | 親しい相手、少し丁寧に言いたいとき |
| 良いお年をお迎えください | 年明けそのもの・新年のスタート | きちんとした年末の挨拶 | 上司・取引先・目上・フォーマルな場面 |
「良いお年を」は、本来は「良いお年をお迎えください」の省略形とされています。そこに「お過ごしください」を足すと、「今から年末までの過ごし方」に視点が移るイメージなんです。
そのため、
- 新しい年そのものを祝いたい → 「良いお年を」「良いお年をお迎えください」
- 年末の忙しい時期をいたわりたい → 「良いお年をお過ごしください」
と考えると、言葉の向きが少し違うことが分かってきますよね。
なぜ「お過ごしください」は間違いと言われることがあるのか
「『良いお年をお過ごしください』は誤用」という説明を見かけたことがある方もいると思います。これは、元々の形が「良いお年をお迎えください」であり、
- 「お年」=新しい年そのもの
- 「お迎えください」=新年を迎える、年明けの瞬間
という組み合わせがセットだったという考え方があるからです。
一方「お過ごしください」は、時間の“途中”に対して使う表現ですよね。「良い休日をお過ごしください」「素敵なクリスマスをお過ごしください」などと同じパターンです。
ここから、
- 「お年=これから始まる一年」なのに、
- 「お過ごしください=既に始まっている時間に対する言い方」
というズレを指摘して、「厳密には変だ」という見方が生まれています。
ただ、実際の会話やメールでは「年末を元気に過ごしてね」「残りの一年を無事に」という気持ちで使われることが多く、そこまで細かく気にされない場面も多いです。ふだんのやり取りなら、違和感なく受け取られることがほとんどだと考えてよいですよ。
- 砕けた場面 → 「良いお年を」「良いお年をお過ごしください」
- きちんとした場面 → 「良いお年をお迎えください」
と使い分けておくと、どの場面でも安心して挨拶しやすくなります。
江戸時代の商慣習と年神様に見る年末挨拶の背景
「良いお年を」という挨拶には、日本独特の年末文化がぎゅっと詰まっています。背景を知っておくと、言葉の重みが少し違って感じられるはずです。
1つ目は、江戸時代の商慣習です。多くの人がツケ払いをしていて、年内にそのツケを清算できるかどうかが翌年の信用にも関わる大事なことでした。
年末に「今年もなんとか乗り切りましたね」「無事にお支払いできて、また来年もよろしくお願いします」という気持ちを込めて、「良いお年を」と声を掛け合っていたと言われています。
2つ目は、年神様を迎えるという考え方です。年神様は新しい年の豊作や家族の無事を守る神様とされ、年末の大掃除やしめ縄飾りなどは、その年神様を迎えるための準備という位置づけでした。
「良いお年を」という一言には、「今年の締めくくりを整えて、新しい年を笑顔で迎えられますように」という、相手の生活そのものを願う気持ちが込められているとも言えます。
こうした背景を知っておくと、「お過ごしください」「お迎えください」のどちらを選ぶにしても、単なる形式的な挨拶ではなく、少し気持ちを乗せやすくなりますよね。
この先は、その気持ちをいつ・どんな場面で伝えるのが自然かを見ていきましょう。
年末の挨拶はいつからいつまで?使える時期とシーン
意味がわかっても、「結局いつから言い始めて、いつまで使えばいいの?」という迷いは残りがちです。ここは、日付よりも「年内のどの段階か」で考えると判断しやすくなります。
目安としては、仕事やプライベートの予定が「今年はこれで最後だな」と感じるときから、12月30日ごろまでをイメージするとちょうどいいバランスになります。
「良いお年を」を言い始める目安と、避けたいタイミング
まずは、よくあるタイミングを整理してみます。
| タイミング | 「良いお年を」使用の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 12月上旬まで | 基本的にはまだ早い | ふつうの「ありがとうございました」で十分 |
| 12月中旬〜クリスマス前 | 徐々に使い始めてもOK | 年内にもう一度会うなら無理に使わなくてよい |
| クリスマス〜仕事納め前後 | もっとも使いやすい時期 | 「今年はこれで最後」のやり取りに向いている |
| 12月30日ごろ | 使えるが、場合によっては年始挨拶へ | 相手のスケジュールも想像しながら判断 |
| 大晦日(12月31日) | 使用しても失礼ではないが、別表現の方が無難 | 「本年もありがとうございました」などに切り替えやすい |
「今日が今年最後の打ち合わせになりそうだな」「この人とはもう年明けかな」と感じたタイミングが、一つの目安です。
逆に、12月上旬などあまりに早い時期だと、まだ「年末感」が薄く、相手にとっても少し違和感のある挨拶になりやすいんですよね。
大晦日や年始は何と言う?挨拶を切り替えるポイント
大晦日や年始には、少し言い方を変えると、より自然で丁寧な印象になります。
大晦日(12月31日)の基本イメージ
- 「今年も大変お世話になりました」
- 「来年もどうぞよろしくお願いいたします」
この2つを軸にしておくと、ほとんどの場面に対応できます。
例えば、
- 対面での挨拶
「本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。」 - メールの締め
「本年も格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。」
といった形ですね。
年始は「明けましておめでとうございます」と「本年もよろしくお願いいたします」が中心になります。「良いお年を」はあくまで“年末の言葉”なので、年が明けてからは使わないと覚えておきましょう。
大晦日に「良いお年を」と言っても失礼ではありませんが、フォーマルな場では年内の感謝と、来年への一言に切り替えると印象が整います。
対面・電話・メール・チャットごとのベストタイミング
同じ「年末の挨拶」でも、チャネルによって使いやすいタイミングは少し変わります。感覚を揃えておくと、迷いが減ります。
| チャネル | タイミングの目安 | 使いやすい一言の例 |
|---|---|---|
| 対面 | 年内最後の訪問・打ち合わせの別れ際 | 「では、どうぞ良いお年をお迎えください。」 |
| 電話 | 年内最後の電話の締め | 「それでは、どうぞ良いお年を。」 |
| メール | 仕事納めの前後、年内最後のやり取り | 「どうぞ良いお年をお迎えください。」 |
| チャット | 最後のやり取りの一言、スタンプと一緒に | 「今年もありがとうございました。良いお年を!」 |
対面と電話は、その場の雰囲気に合わせて少しくだけた言い方をしても自然です。
一方、メールは読み返されることも多いので、丁寧なフレーズを選んでおくと安心ですね。ビジネスチャット(社内のツールなど)は、その中間くらいのイメージで、少しカジュアル寄りでも問題ないケースが多いです。
次は、特に迷いやすい「ビジネス・目上」に焦点を当てて、具体的なフレーズを見ていきます。
ビジネスや目上に年末の挨拶をするときのマナー
ビジネスシーンや目上の方への挨拶は、失礼がないかどうかがいちばん気になりますよね。ここだけ押さえておけば大丈夫、というポイントを絞って整理します。
基本の考え方は、「フォーマルな場では『お迎えください』を選び、感謝の一言とセットで使う」です。
目上には「お迎えください」が基本になる理由
ビジネスやフォーマルな場面では、「良いお年をお迎えください」がもっとも無難で、安心して使える表現です。その理由は大きく2つあります。
1つ目は、元々のフルの形であること。
省略せず、「良いお年をお迎えください」と丁寧に表現することで、きちんとした印象になります。
2つ目は、「新しい年そのもの」を祝うニュアンスがはっきり伝わることです。
ビジネスでは、年末の挨拶にはほぼ必ず「本年の感謝」と「来年もよろしく」という意味合いが含まれます。ここに「お迎えください」を合わせると、流れがとてもきれいにまとまるんです。
相手別に見ると、次のようなイメージになります。
| 相手 | 推奨フレーズの方向性 | 補足 |
|---|---|---|
| 取引先の担当者・責任者 | 良いお年をお迎えください | 感謝の言葉とセットで使うと丁寧 |
| 上司・先輩 | 良いお年をお迎えください | 「今年もお世話になりました」を添える |
| 社長・役員クラス | 良いお年をお迎えくださいませ | 全体として少し改まった文章にする |
| 親しい同僚・同期 | 良いお年を/良いお年をお過ごしください | 社内の空気感に合わせて選んでOK |
「お過ごしください」を使ってしまっても、目上の方が不快に感じることはほとんどありません。ただ、「迷ったときの答え」としては「お迎えください」を選んでおくと、毎年悩まなくて済むようになります。
年末の挨拶メール・チャットで使える定番フレーズ
実際のメールやチャットでそのまま使いやすいフレーズを、状況別にまとめます。
取引先への年末メールの締め
- 「本年は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。来年も変わらぬご厚情のほどよろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。」
- 「本年も大変お世話になりました。来年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。」
上司・社内の目上の方へのメール
- 「本年は多くのご指導を賜り、誠にありがとうございました。来年もご期待にお応えできますよう努めてまいります。どうぞ良いお年をお迎えください。」
- 「今年も大変お世話になりました。来年もご指導ご助言のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。良いお年をお迎えくださいませ。」
社内チャットでの一言
- 「今年もお世話になりました!どうぞ良いお年をお迎えください。」
- 「本年もありがとうございました。皆さま、良いお年を!」
文全体としての丁寧さが大事なので、文中にごく軽い表現が含まれていても、締めの「良いお年をお迎えください」で全体が引き締まることも多いです。
喪中の相手・自分が喪中のときの丁寧な言い方
喪中の方への年末挨拶は、「新年を祝う色合いをできるだけ抑える」と考えると整理しやすくなります。
喪中の相手に対しては、
- 「本年も大変お世話になりました。来年も変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いいたします。」
- 「今年もいろいろとお気遣いをいただき、ありがとうございました。どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。」
のように、「良いお年を」「おめでとう」にあたる言葉をあえて使わず、感謝と気遣いを中心にした表現にしておくと安心です。
自分が喪中の場合も同じ考え方で、
- 「本年もお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。」
のような言い方にしておくと、控えめながら礼を失しないバランスが取りやすくなります。
「言ってはいけない」というよりは、「相手や自分の状況に寄り添って、あえて祝うニュアンスを弱める」というイメージを持っておくと、毎年判断しやすくなります。
カジュアルな年末の言い方と言い換えフレーズ集
ビジネスとは逆に、家族や友人、親しい同僚には、少しくだけた言い方の方が距離感に合うことが多いですよね。ここでは、雰囲気ごとに使いやすいフレーズをまとめます。
ポイントは、「相手との距離」に合わせて敬語の度合いを変えるだけで、基本の意味はそんなに変わらないということです。
家族・友人・同僚に気軽に伝える一言フレーズ
ラフな場面では、短くて温かい一言があるだけで十分です。
家族や親しい友人に
- 「今年もありがとう!良いお年をね。」
- 「また来年もよろしくね。良いお年を〜。」
社内の同僚・同期に
- 「今年もお疲れさまでした。良いお年を!」
- 「来年も一緒にがんばろうね。良いお年を〜。」
少しだけ丁寧にしたいときは、
- 「今年もお世話になりました。どうぞ良いお年をお過ごしください。」
のように、「どうぞ」「お過ごしください」を足すと、かしこまりすぎない範囲で丁寧さが出せます。
「来年もよろしく」を添えたいときの言い方
年末の挨拶は、「今年のお礼」と「来年も仲良くしてね」という気持ちをセットで伝えられる良いタイミングです。
特に関係性を続けたい相手には、「来年もよろしく」を添えておくと、ぐっと印象が柔らかくなります。
こんな組み合わせが使いやすいです。
- 「今年もたくさんありがとう。来年もよろしくね。良いお年を!」
- 「今年もいろいろ助けてくれてありがとう。来年も変わらず仲良くしてもらえるとうれしいです。どうぞ良いお年を。」
- 「本年も大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。」
ビジネスでもプライベートでも、「来年もよろしく」という一言があるだけで、相手に“関係を続けたいサイン”が自然に伝わります。
英語・中国語など他言語での「良いお年を」の表現
海外の友人や取引先に年末のメッセージを送るときは、相手の言語に合わせた一言を添えると喜ばれます。
英語の例
- 「Have a Happy New Year.」
- 「Best wishes for the New Year.」
- 「I hope you have a wonderful New Year.」
中国語の例
- 「新年快樂。」(シンニェン クァイラー)
- 「新年快樂,來年もよろしくお願いします。」のように、日本語と組み合わせても良いですね。
堅いビジネスメールでは、
- 「Wishing you a happy new year and all the best in 2026.」
のような形もよく使われます。
日本語の「良いお年を」に完全にぴったり当たる表現はありませんが、「新しい年が良いものになりますように」という気持ちを乗せるという意味では、どの言語でも根っこは同じです。
年末の挨拶でよくある迷いとNG例
ここまで読んでみて、「こういう場合はどうなんだろう?」と細かい場面が頭に浮かんできた方もいるかもしれません。最後に、よくある迷いどころをまとめて整理しておきます。
基本は「失礼にならないか」さえ押さえればOKで、多少の言い回しの違いは、ほとんどの場面で大きな問題にはなりません。
「お過ごしください」を使ってしまったときの考え方
すでに送ってしまったメールや、咄嗟に口から出た挨拶をあとから思い出して、「あれは誤用だったかな…」と気にしてしまうこと、ありますよね。
実際には、
- 文脈全体が丁寧であれば、
- 「良いお年をお過ごしください」という表現だけが原因で悪く受け取られる可能性はかなり低い
と考えて大丈夫です。
どうしても気になる場合は、次の機会から「お迎えください」に統一してしまえばよく、わざわざ訂正メールを送る必要はありません。
言葉の“正しさ”よりも、その年一年どう向き合ってきたかの方が、相手との関係にとってはずっと大きな要素になります。完璧を目指しすぎず、「来年はもう少し整えよう」くらいの感覚で十分です。
返事に悩んだときの、失礼にならない一言
「良いお年をお迎えください」と言われたときの返事も、とっさには意外と悩みます。返す側は、次のようなシンプルな形を覚えておくと安心です。
- 「ありがとうございます。〇〇さんも、どうぞ良いお年をお迎えください。」
- 「恐れ入ります。来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。」
- 「お心遣いありがとうございます。良いお年をお迎えくださいませ。」
少しカジュアルな相手なら、
- 「ありがとうございます!良いお年を〜。」
くらいでもまったく問題ありません。
ビジネス文書で避けたい書き方・言い回し
「絶対NG」とまでは言い切れないものの、ビジネス文書では避けておいた方が無難なパターンもあります。
- 絵文字や顔文字を多用した「良いお年を〜😊」
- いきなり「良いお年を!」だけで、感謝の文が一切ない
- 「よいお年を」「良いお年をね」など、くだけた書き方がそのままメールに入っている
ビジネスメールでは、
- 今年一年の感謝
- 来年への一言
- 「良いお年をお迎えください」
という流れを意識しておくと、どの相手にも失礼になりません。
社内のチャットなど、くだけた場では多少カジュアル寄りでも大丈夫ですが、「相手との距離」をいつも少しだけ意識すると、ちょうど良いバランスが取りやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 「良いお年をお過ごしください」は誤用ですか?
A. 厳密に言えば「良いお年をお迎えください」が原形ですが、日常会話やメールで「良いお年をお過ごしください」と使っても、ほとんどの場合は失礼には当たりません。 ビジネスや目上には「お迎えください」を選ぶと、より安心です。
Q. 「良いお年を」はいつごろから言い始めるのが自然ですか?
A. 目安としては、12月中旬ごろから12月30日ごろまでが使いやすい時期です。 特に、仕事納めや「今年はこれで最後」のやり取りになりそうなタイミングで使うと、違和感なく収まります。
Q. 大晦日に「良いお年を」と言ってもおかしくないですか?
A. 大晦日に「良いお年を」と言っても、マナー違反というほどではありません。 ただ、フォーマルな場では「本年もお世話になりました」「来年もよろしくお願いいたします」と言い換えると、より整った印象になります。
Q. 上司や取引先にはどの表現を使うのが良いですか?
A. 上司や取引先など目上の方には、「良いお年をお迎えください」がもっとも無難で丁寧です。 その前に「本年は大変お世話になりました」「来年もよろしくお願いいたします」といった一文を添えると、礼儀正しい印象になります。
Q. メールの最後に「良いお年を」を入れるときの型を知りたいです。
A. 「本年も大変お世話になりました。来年も変わらぬご厚情のほどよろしくお願い申し上げます。どうぞ良いお年をお迎えください。」が定番の形です。 この一文をベースに、固さを調整していくと使いやすくなります。
Q. 喪中の人に「良いお年を」と言っても大丈夫でしょうか?
A. 喪中の方に「良いお年を」と言うこと自体は必ずしもマナー違反ではありません。 ただ、気になる場合は「本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。」など、新年を直接祝うニュアンスを抑えた表現にしておくとより無難です。
Q. 自分が喪中のときは、どう挨拶したらよいですか?
A. 自分が喪中の場合は、「良いお年を」や「おめでとう」を避け、「本年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。」のような表現にする人が多いです。 控えめながら礼儀を保てるので、安心して使えます。
まとめ
ここまで見てきたように、「良いお年をお過ごしください」は、年末の相手を気遣う温かい挨拶です。ただ、ビジネスや目上の方には、「良いお年をお迎えください」を選んでおくと、より安心して使えます。
年末の挨拶としては、
- 使い始めの目安は12月中旬ごろから
- いちばん使いやすいのは、仕事納め前後〜12月30日ごろ
- 大晦日は「本年もありがとうございました」「来年もよろしくお願いいたします」に切り替える
という流れを意識しておくと、毎年迷いにくくなります。
また、ビジネスメールやチャットでは、
- 今年一年の感謝
- 来年もよろしくの一言
- 「どうぞ良いお年をお迎えください」
という3つをセットにしておくと、どんな相手にも失礼のない挨拶になります。
完璧な正解を探すよりも、「この相手に、この1年をどう振り返ってもらいたいか」を考えて言葉を選ぶことが、いちばん丁寧なマナーと言えるかもしれません。
今年の年末は、少しだけ言葉を意識しながら、あなたらしい「良いお年を」を伝えてみてくださいね。
参考文献・出典
※本文中ではURLを記載していないため、詳細を確認したい場合はここから公式情報をチェックしてください。
- 文化庁「敬語の指針(文化審議会答申)」
- マイナビニュース「『良いお年を』の正しい意味とは? 目上の人への使い方や文例も」
- タウンワークマガジン「『良いお年を』の丁寧な言い方は?目上の人への使い方」
- デザインバンク年賀状「年末の挨拶『良いお年を』いつからいつまで?使い方の作法は」
- TRANS.Biz「『良いお年を』の意味とは?後に続く言葉や別の言い方・喪中の場合のマナー」


