黄色を混ぜるとすぐ濁るのはなぜ?汚くなった色の失敗パターンと直し方

黄色を混ぜるとすぐ濁るのはなぜ

黄色を混ぜたら、一瞬でドブ色になってしまったことはありませんか。

せっかく明るい黄色を塗ったのに、上から影を足したら一気にくすんでしまうとかなりがっかりしますよね。

実は、黄色は絵の具やインクの中でも「少しの色で一気に濁りやすい」性質を持っています。

ただ、濁った黄色でも「まだ救える段階」と「思い切って塗り直した方が早い段階」があります。

この記事では、今すでに汚くなってしまった黄色をどう立て直すかを、状態別に整理していきます。

あわせて、「なぜ黄色だけこんなにすぐ濁るのか」という原因と、次から失敗しにくくなる混色・道具の使い方もまとめていきます。

一枚の絵を前に「もう終わったかも」と感じているときこそ、落ち着いて順番に見ていくと判断しやすくなります。

ここで整理しておけば、次に黄色を使うときもかなり安心して塗れるようになりますよ。

【この結論まとめ】

  • 濁った黄色は「濡れているうち」「乾いたあと」でできる処置が大きく変わります。
  • 黄色は暗い色や補色をほんの少し混ぜただけでも一気にくすむので、混ぜる色数と割合を絞るのが大事です。
  • 水彩・アクリル・インクなど画材ごとに黄色の濁り方のクセが違うので、画材別のリカバリー方法を知っておくと安心です。
  • パレットと水を清潔に保ち、黄色用のスペースを分けると、それだけで濁りがぐっと減ります。
  • 次からは「黄色を主役にして相性の良い色だけを選ぶ」意識で混色すると、失敗が一気に減ります。
目次

黄色を混ぜるとすぐ濁るときの結論と全体の流れ

最初に押さえておきたいのは、「どこまでなら立て直しで粘れて、どこからは塗り直した方が早いか」というざっくりした線引きです。

一言でいうと、黄色そのものの明るさがほぼ残っているうちは立て直しの余地があり、すでに茶色やオリーブ色に振り切れているなら「目立たなくする工夫」に切り替えるのが現実的です。

濁った黄色を立て直すか塗り直すかの判断基準

濁り具合を言葉だけで判断するのはむずかしいので、状態をざっくり分けてみます。

自分の絵のどのあたりに近いかを、まずイメージしてみてください。

【濁った黄色の状態別・判断早見表】

状態見た目の例現実的な対応
ほぼ黄色に見えるが少しくすんでいる明るい黄色に、うっすら灰色や黄土色が混じった程度淡い黄色や同系色を重ねて彩度アップで立て直しやすい
黄土色〜オーカーっぽく見えるレモンイエローというよりカレー粉のような色影色として活かす方向か、一度薄くならしてから部分的に塗り直す
オリーブグリーン〜茶色寄り黄色感が弱く、くすんだカーキや茶色に見える元の黄色には戻らないので、「別の色として扱う」前提で上から計画的に塗り直す
グレーに近いくすみ色何色とも言いがたく、彩度がほぼない状態立て直しは困難なので、下地をリセットして描き直した方が早い

(出典:美術資料どっとこむ)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

ここでのポイントは、「完全に元の黄色に戻す」のではなく、「画面全体の中で許せる黄色寄りの色に持っていく」という発想です。

少しのくすみなら、上から薄く明るい色を重ねてあげることで十分きれいに見せられます。

一方、すでに彩度が完全に落ちている部分は、潔く「別の役割の色」として使い直した方が、最終的な仕上がりが整いやすいです。

ここがポイント:
黄色そのものを完全に元に戻そうとするより、「画面全体の中で許せる明るさと役割」に変えていく意識で考えると判断しやすくなります。

黄色が汚く見えるときにチェックしたい3つのポイント

黄色が「思ったより汚い」と感じたときは、次の3点を順番に見ていくと原因を絞りやすくなります。

まず、混ぜた相手色の種類です。

補色に近い色や、もともと暗い色を混ぜていないかを思い出してみてください。

次に、混ぜた色の数と割合です。

3色以上を均等に混ぜていたり、暗い色の方が量が多くなっていると、一気に中間色〜グレーに寄りやすくなります。

最後に、パレットと水の汚れ具合です。

パレットがすでに灰色に近い色で汚れていると、きれいな黄色を作っているつもりでも、最初からくすみ成分が混ざってしまいます。

要点まとめ:
「何色をどれくらい混ぜたか」と「道具がどれくらい汚れていたか」の2軸で思い出すと、自分の失敗パターンが見えやすくなります。

この子記事と親記事でできることの違い

この子記事は、「すでに黄色を濁らせてしまったあと」のリカバリーに特化しています。

黄色そのものの作り方や、明るい黄色を保つ基本的な混色ルールは、親記事でじっくり整理しています。

たとえば、「そもそも黄色がないときにどう代用するか」や、「どの黄色を買うと扱いやすいか」といった話は、親記事の方が詳しいです。

一方で、この子記事では「今目の前の絵をどう救うか」という、かなり現場寄りの内容に絞っていきます。

補足:
混色の前提や黄色の種類選びに不安がある場合は、一度親記事で基本を押さえてからこの子記事に戻る流れがいちばんスムーズです。

黄色がすぐ濁る典型パターンを整理して「どこで失敗したか」を見つける

黄色が濁るときには、いくつか定番のパターンがあります。

まずは自分がどのパターンに近いのかを知ると、同じ失敗をくり返しにくくなります。

混ぜた相手色別:黄色が一気に濁りやすい組み合わせ

黄色に何色を足したかによって、濁り方の傾向がかなり変わります。

よくある組み合わせを整理すると、次のようなイメージです。

【黄色が濁る典型パターンと混色の組み合わせ一覧】

組み合わせ起こりやすい色味濁りやすさの目安
黄色+紫系グレー〜くすんだ茶色非常に濁りやすい
黄色+群青系の青オリーブグリーン〜カーキ濁りやすい
黄色+黒・濃いグレー黄土色〜暗い茶色濁りやすい
黄色+補色から離れた明るい青緑澄んだ黄緑比較的安全
黄色+オレンジ・赤みの弱い茶色暖かい黄土色影色として扱いやすい

(出典:色材協会)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

黄色と補色に近い紫を混ぜると、一気に彩度が落ちてグレー〜茶色っぽくなります。

群青系の深い青も、少し入れただけで黄緑を通り越してくすんだカーキになりがちです。

逆に、青緑寄りの明るい色や、黄色に近いオレンジなどは、濁りにくい相手といえます。

注意点:
「影だからとりあえず補色を足す」という感覚で紫や黒を混ぜると、黄色は特に一瞬で濁りやすいので、影色はまず同系色のオレンジや黄土色から試すのが安心です。

混ぜた色の「数」と「割合」で起こりやすい濁り方

何色を混ぜたかだけでなく、色の数と比率も重要です。

おおまかな目安は次の通りです。

  • 黄色+別の色1色だけで、黄色の量が明らかに多いとき。
    この場合は、まだ黄色の明るさが残りやすく、立て直しやすいゾーンです。
  • 黄色+2色目以降が入り、3色以上を均等に混ぜてしまったとき。
    彩度が一気に落ちて中間色〜グレーっぽくなりやすくなります。
  • そもそも暗い色(黒・濃紺・濃い茶色など)の比率が多いとき。
    黄色の影としては使えても、明るい黄色に戻すことはほぼできません。

一言まとめ:
黄色は「1色だけ、黄色多め」が基本で、それ以上混ぜるほど一気に濁りゾーンに入ると考えておくと安全です。

黒・グレー・補色を足したときに起こりやすい失敗

黄色の影や暗部を作ろうとして、黒やグレー、補色に近い紫を直接混ぜるのも、ありがちな失敗です。

黒を混ぜるときは、ほんのひとさじでも一気に明度が落ち、紙の白さとのコントラストで「汚れ」に見えやすくなります。

グレーも、ベースに何色が入っているかによっては補色関係になり、結果的に灰色〜茶色に寄りやすいです。

補色に近い紫は、黄色と混ぜると理論上「グレー寄りの無彩色」に近づいていくので、鮮やかな黄色を保ちたい場面では避けたい相手です。

失敗しないコツ:
影をつけたいときは、黒や紫を直接混ぜるのではなく、まず黄色に近いオレンジや黄土色、あるいは少量の青緑などから試すと、濁らせずに深みを出しやすくなります。

絵の具・インク・画材ごとに違う「黄色の濁りやすさ」のクセ

同じ「黄色」でも、水彩とアクリル、ガッシュやインクでは濁り方が少しずつ違います。

ここを押さえておくと、自分の画材に合った立て直し方が選びやすくなります。

透明水彩・ガッシュ・アクリルで黄色が濁る理由の違い

ざっくり分けると、透明水彩は「紙の白さが透けるタイプ」、ガッシュやアクリルは「不透明で塗り重ねが効くタイプ」です。

それぞれの特徴を整理すると次のようになります。

【画材別に見た黄色の濁りやすさと特徴一覧】

画材黄色の見え方の特徴濁りやすい場面
透明水彩紙の白さが透けて軽やかに見える重ね塗りで層が増えたときや、汚れた水で薄く何度も塗ったとき
ガッシュマットで不透明、発色がしっかり出る白や黒を混ぜすぎたときや、乾いた上から厚塗りをくり返したとき
アクリル乾くと耐水性になり、ややマットな質感多色をパレット上で混ぜすぎたときや、厚く塗り重ねてテカリが出たとき
インク(カラーインク)発色が強く、染み込むように紙に定着紙に吸い込まれたあとに上から別色を重ねたときや、にじみが混ざり合ったとき

(出典:ホルベイン工業)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

透明水彩では、紙の白さが透けている分、重ねる色が増えるほど光を吸収する層が増え、暗くくすんで見えやすくなります。

ガッシュやアクリルでは、そもそも不透明度が高いので、「混ぜる色の数」と「塗り重ね回数」が増えるほど、マットで重い黄色になりがちです。

インクは一度紙に染み込むと動かしにくく、にじみ合った部分がグレー寄りに見えやすいので、重ね方の計画性が重要になります。

ちょっと深掘り:
透明水彩で黄色がすぐ濁ると感じる場合、混色そのものより「重ね塗り回数」と「紙の白さの残し方」に原因があることも多いです。

インク・マーカー・デジタルとの違いをざっくり押さえる

インクやアルコールマーカー、デジタルのブラシは、絵の具と少し感覚が違います。

アルコールマーカーなどは、紙に染み込んだ色が内側で混ざるので、重ねすぎるとすぐに中間色になってしまいます。

デジタルの場合は、レイヤーを分けておけばやり直しが効くので、黄色のすぐ上に補色を重ねても、ブレンドモードや不透明度の調整である程度コントロールできます。

ただし、「印刷したとき」にどう見えるかは別問題なので、印刷を前提としたイラストなら、CMYKでの黄色の再現性も意識しておくと安心です。

覚えておきたい:
アナログ画材では「一度紙に乗せた絵の具をどこまで動かせるか」が黄色のリカバリーの限界なので、画材ごとの制約を把握しておくと判断が早くなります。

紙の白さ・表面と照明の色で黄色の見え方が変わる理由

黄色は、紙の白さや照明の色の影響を受けやすい色です。

クリーム色寄りの紙や、少し黄ばんだ紙では、黄色の鮮やかさが背景に溶け込みやすく、相対的にくすんで見えます。

ざらざらした紙では、顔料の乗り方にムラが出やすく、影の部分が思った以上に暗く見えることもあります。

照明が電球色寄りだと、全体に黄色みが足されるため、黄色以外とのコントラストが弱まり、黄色の面が「なんとなくぼやけて見える」こともあります。

判断の基準:
「黄色が汚い」と感じたときは、紙と照明を一度変えて見てみると、混色ではなく環境が原因だと気づける場合もあります。

状態別に見る:今濁ってしまった黄色を立て直す手順

ここからは、実際に濁ってしまった黄色をどう扱うかを、状態別に見ていきます。

まずは「まだ濡れているか」「もう乾いているか」で大きく分けて考えます。

まだ濡れているときに試せる応急処置

まだ絵の具やインクが完全に乾いていない場合は、「なじませて減らす」方向の処置が有効です。

代表的な手順は次のとおりです。

きれいな水をたっぷり含ませた筆で、濁った部分の境界をやさしくなじませます。

そのうえで、不要な絵の具をティッシュや乾いた筆で軽く吸い取り、彩度の落ちた色を少しずつ減らしていきます。

そのあと、薄めた明るい黄色や黄緑を上からそっと重ねると、くすみがやわらいで見えることがあります。

実践ポイント:
この段階ではこすりすぎると紙を傷めたり、周りまで汚してしまうので、「触る回数を最小限にする」意識が大事です。

すでに乾いているときの上塗り・持ち上げ・グレーズのコツ

完全に乾いている場合は、水彩かアクリルかでできることが変わります。

透明水彩なら、やや硬めの筆ときれいな水で、表面を軽くなでるようにすると、少しだけ色を持ち上げることができます。

そのあと、薄い黄色やオレンジをグレーズのように重ねて、彩度を補っていく方法が現実的です。

アクリルやガッシュの場合は、乾いた面の上から明るい黄色や白を混ぜた黄色を重ね塗りすることで、上から「塗り替える」イメージで対処します。

ここがポイント:
乾いたあとに完全に元の紙の白さまで戻すのはむずかしいので、「どこまでなら上からの色でごまかせるか」を見極める意識で進めると無理がありません。

どうしても戻らないときの「目立たなくする」色の使い方

どう頑張っても黄色らしさが戻らない場合は、「そこを主役にしない」構図に切り替えるのが現実的です。

濁ってしまった部分を、背景や影、奥まった場所として扱い、別の明るい黄色を主役の位置に新しく置くイメージです。

その判断に役立つイメージを、一覧で整理しておきます。

【状態別・諦めどきと目立たなくする工夫の一覧】

濁り具合諦めどきの目安目立たなくする工夫
少しくすんでいる程度主役の黄色よりわずかに暗いくらい影側として残し、ハイライト部分に新しい黄色を置く
かなり茶色っぽい黄色と言いにくい色味になったとき背景や物陰として周囲も同系色でまとめる
グレー寄りで彩度がほぼない何を足しても黄色感が戻らないとき思い切って別のモチーフやテクスチャとして上から描き替える

(出典:Artience)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

失敗しないコツ:
「ここはもう主役にはしない」と決めると、逆に画面全体の色バランスは整えやすくなります。

一度リセットして描き直すときの黄色の扱い方

部分的な立て直しではどうにもならないときは、思い切って下地からやり直す選択肢もあります。

そのときに「どこまで戻すか」を決めておくと、気持ちもラクになります。

下地を白に戻すときの注意点(水彩・アクリル・インク)

画材ごとの「リセットできる範囲」は次のようなイメージです。

【画材別・下地をリセットするときの注意ポイント一覧】

画材戻せる範囲注意したいポイント
透明水彩紙の表面を傷めない範囲で、少し明るくできる程度こすりすぎると紙が毛羽立ち、さらに濁って見える
ガッシュ上から白や別色を重ね塗りして上書きするイメージ厚塗りしすぎるとひび割れやムラの原因になる
アクリルほぼ不透明に塗りつぶすことで別の下地にできる厚く塗りすぎると凹凸が目立ち、あとからの描き込みに影響する
インク基本的にはほとんど戻せない失敗部分は別のモチーフや影として活かす前提で考える

(出典:ホルベイン工業)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

透明水彩では、「真っ白に戻す」のではなく、「今より一段階明るくする」くらいの気持ちで水を使うとちょうどよくなります。

アクリルやガッシュでは、上から白や別の色を塗り重ねて、いったん新しい下地を作るイメージで扱います。

大事なところ:
どの画材でも、「紙やキャンバスの物理的なダメージ」を広げすぎないことが、次の描き直しをきれいに見せるための最優先ポイントです。

黄色の面を塗り直す前に決めておきたい3つのこと

描き直しをする前に、次の3つだけ決めておくと、二度目の失敗をかなり防げます。

どこを黄色の主役にして、どこを脇役にするかをはっきりさせます。

主役の黄色には、あまり多くの色を混ぜずに済む配色を考えます。

黄色の影や暗部をどう表現するかを、先にざっくり決めておきます。

アドバイス:
「黄色はここだけ」と決めてしまうと、そのほかの部分でどんなに遊んでも、黄色はきれいに見えやすくなります。

親記事で押さえた「黄色を濁らせない基本」を描き直しに活かす

黄色の描き直しでは、親記事で扱った「黄色を濁らせないコツ」がそのまま活きてきます。

たとえば、最初から「黄色は単独で塗り、影だけ別レイヤーのように別の色でコントロールする」と決めておく方法があります。

あるいは、「黄色の上には黄色系統かごくわずかな青緑しか置かない」と決めておくのも有効です。

要点:
一度失敗したあとに描き直すときほど、基本に立ち返ったシンプルなルールが役立ちます。

黄色を濁らせないためのパレット・水・筆の使い方

黄色の濁りは、混ぜた色だけでなく「道具の汚れ」から来ていることも多いです。

ここを整えるだけで、仕上がりがかなり変わります。

パレットと水の汚れが黄色に与える影響

パレットや水の汚れ具合ごとに、黄色への影響をざっくり整理してみます。

【パレット・水の汚れレベルと黄色への影響早見表】

状態パレット・水の様子黄色の見え方
ほぼ透明で清潔水が無色透明で、パレットも白が見える明るく澄んだ黄色になりやすい
少し色がついている水が薄い灰色や薄茶色、パレットも全体がうっすら汚れているごく薄いくすみが乗り、鮮やかさが少し落ちる
明らかに濁っている水が濃い灰色、パレットの白がほとんど見えない最初からグレーが混ざったような黄色になりやすい

(出典:色材協会)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

黄色を混ぜるときだけでも、できるだけきれいな水と、比較的きれいなエリアのパレットを使うようにすると濁りがかなり減ります。

見逃せないのが:
「黄色用の水」と「その他の色用の水」を分けておくだけでも、くすみ方が目に見えて変わります。

黄色用の「安全地帯」を作るパレット配置のコツ

パレットの一角を「黄色専用エリア」と決めて、他の色を絶対に持ち込まないようにしておくと安心です。

具体的には、黄色と黄土色、明るいオレンジなど、黄色に近い色だけをそのゾーンに置きます。

青や紫、黒や濃い茶色などは、黄色から最も遠い位置にまとめておくと、うっかり筆先に残った色が混ざる事故が減ります。

ここがポイント:
「パレットの地図」を最初に決めておくと、描いている最中に迷いなく色を取れるので、混色ミスも同時に減らせます。

筆の洗い方・持ち替え方で濁りを減らす

筆先に残った少量の青や黒が、黄色を一気に濁らせることもよくあります。

黄色を塗る前には、いつもよりていねいに筆を洗い、水の中を軽くふるって絵の具をしっかり落とします。

それでも不安な場合は、「黄色専用の筆」を1本決めてしまうのも有効です。

初心者がつまずく点:
思っている以上に筆の根元に色が残っていることが多いので、特に濃い色を使ったあとは、根元までしっかり水にひたして洗う習慣をつけると安心です。

黄色がきれいに見える混色・配色パターンと練習法

最後に、次から黄色を気持ちよく使うための「相性の良い色」と「練習メニュー」をまとめておきます。

失敗の記憶が新しいうちに試しておくと、感覚として定着しやすいです。

黄色を主役にしたときに相性の良い色・悪い色

黄色をきれいに見せてくれる色と、濁らせやすい色を、ざっくり一覧にしてみます。

【黄色と相性の良い色・濁りやすい色の一覧表】

グループ具体例特徴
相性が良い色明るい青緑、ターコイズ、黄緑、淡いグレー黄色の明るさを保ったまま、爽やかさや落ち着きをプラスできる
影色に使いやすい色黄土色、オレンジ、赤みの少ない茶色濁りすぎずに、黄色の延長線上として影を作りやすい
濁りやすい色紫、群青、黒、濃いグレー少量でも一気に彩度が落ち、グレー〜茶色に寄りやすい

(出典:美術資料どっとこむ)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

判断の基準:
「色相環で黄色に近いかどうか」をざっくり意識しておくと、相性の良し悪しを見分けやすくなります。

失敗しにくい黄色の影色・ニュアンスカラーの作り方

黄色の影を作るときは、いきなり紫や黒ではなく、まず黄土色やオレンジで明るめの影を作るのがおすすめです。

それでも物足りないと感じたら、ほんのわずかに青緑やグレーを足して、少しずつ深みを増やしていきます。

ニュアンスのある黄色を作りたいときは、補色ではなく「隣り合う色」(オレンジや黄緑)を少しずつ足すだけでも、十分変化をつけられます。

アドバイス:
影に使う色は、必ず混色前に別の紙で試し塗りしてから本番に乗せる習慣をつけると、取り返しのつかない濁りをかなり防げます。

初心者でも試しやすい黄色の練習メニュー

練習の段階で「どこまで混ぜると濁るのか」を体感しておくと、本番で迷いが減ります。

ここではレベル別に、シンプルな練習メニューをいくつか挙げておきます。

【レベル別・黄色の混色練習メニュー一覧】

レベル内容ねらい
初級黄色+1色だけを、黄色多めから相手色多めまでグラデーションで作るどのあたりから急に濁るかを目で覚える
中級黄色+2色目を足し、3色混色のグラデーションを試す色数が増えるときの濁り方を体感する
上級実際のモチーフ(レモンや花など)を、相性の良い配色だけで描いてみる画面全体で黄色をきれいに見せる感覚をつかむ

(出典:Artience)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。

実践ポイント:
練習用の紙に日付と使った色を書き残しておくと、あとから見返したときに自分の「濁りやすい癖」が一目でわかる資料になります。

まとめ

黄色は、混ぜる相手や道具の汚れによって、ほかの色よりもずっと早く濁ってしまう色です。

ただし、「まだ黄色に見える段階」と「もう別の色として扱った方がいい段階」を見分けられるようになると、無理に元に戻そうとして紙を傷めてしまうことも減らせます。

  • 濡れているうちは、なじませて減らし、薄い黄色を重ねる方向で。
  • 乾いたあとは、持ち上げとグレーズ、あるいは上塗りでどこまで整えられるかを冷静に判断する。
  • どうしても戻らない部分は、背景や影として活かしつつ、新しい黄色の主役を別の場所に置き直す。

そして、次に黄色を使うときは、「黄色用のきれいな水とパレット」「黄色に近い色だけを混ぜる」というシンプルなルールを用意しておくと、失敗が一気に減ります。

まずは、今回の失敗で使った色と混ぜ方を振り返りつつ、この記事の練習メニューから1つだけでも試してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 黄色を混ぜるとすぐ茶色っぽく濁るのはなぜですか?

A. 補色や暗い色を少量でも足しすぎると、黄色の明るさと彩度が一気に失われるからです。黄色はもともと明度が高いので、紫や黒、群青など光を多く吸収する色が少し入るだけで、中間色〜茶色に寄りやすくなります。

Q. 濁って汚くなった黄色は、水彩ならどこまで立て直せますか?

A. まだ濡れているうちは色を減らして明るさを少し戻せますが、完全に乾いたあとに元通りの黄色に戻すのはむずかしいです。乾いたあとは、持ち上げとグレーズで「黄色寄りに見せる」くらいまでが現実的なラインだと考えると判断しやすくなります。

Q. 黄色の影を作るとき、何色を混ぜると濁りにくいですか?

A. 黄土色やオレンジなど、黄色に近い暖色をベースにすると濁りにくいです。それでも足りない場合にだけ、ごく少量の青緑やグレーを足して深みを出していくと、茶色くなりすぎる失敗を防ぎやすくなります。

Q. パレットや水が汚れていると、黄色はどれくらい影響を受けますか?

A. 水やパレットが灰色っぽく濁っていると、最初からくすんだ黄色しか作れないくらい影響があります。黄色は明るく透けやすいぶん、他の色の影響を強く受けるので、黄色を混ぜるときだけでもきれいな水とエリアを使うのがおすすめです。

Q. 透明水彩とアクリルでは、黄色の濁り方はどう違いますか?

A. 透明水彩は重ね塗りで暗くなりやすく、アクリルは多色混ぜと厚塗りで重くなりやすい違いがあります。水彩では紙の白さが透けなくなると一気にくすみ、アクリルではパレット上で色を混ぜすぎると彩度が落ちてしまうので、それぞれ気をつけるポイントが少し違います。

Q. 黄色インクやマーカーがくすんで見えるとき、紙や照明は関係ありますか?

A. はい、黄ばんだ紙や電球色の照明の下では、黄色は特にくすんで見えやすいです。白い紙と昼白色〜昼光色の明るい照明で確認すると、本来の発色に近い見え方に戻ることが多いので、一度環境を変えて確認してみると安心です。

参考文献・出典

  1. 美術資料どっとこむ「色の整理(減法混色)」
  2. 色材協会「色材の三原色」
  3. Artience「カラーシステム|仕事でつかえる色彩学」
  4. ホルベイン工業「水彩絵具の混色・重色、グラニュレーションについて」
  5. e-words「減法混色とは」
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