混色したときに思ったより暗くなったり、グレーっぽくにごってしまったりすることは本当に多いですよね。
特に水彩・アクリル・油絵具を行き来していると、同じ組み合わせのはずなのに仕上がりが全然違って見えて戸惑いやすいです。
実は「にごらない混色」には、どの画材にも共通するシンプルなルールがありつつ、画材ごとの性質を踏まえた少しの工夫で驚くほど安定してきます。
この記事では、水彩・アクリル・油絵具それぞれの特徴を押さえながら、にごりやすい場面と避けるコツ、失敗したときの立て直し方まで一気に整理していきます。
緑や肌色など、親記事で扱う具体的な色作りをさらに安定させる「土台の考え方」として使える内容です。
【この結論まとめ】
- 混色は基本的に「2色+ほんの少しまで」に抑えるとにごりにくくなる。
- 補色どうしをガッツリ混ぜると一気にくすむので「ほんの少しだけ」が基本。
- 水彩は透明色と不透明色を意識して、紙の白を残すほど透明感が出やすい。
- アクリルは「濡れているうちの混色」と「乾いてからの重ね塗り」を分けて考える。
- 油絵具はパレットで混ぜすぎず、グレーズやぼかしで色幅を出すとにごりにくい。
まずは全体像から見ていきましょう。
水彩・アクリル・油絵具でにごらない混色のコツをざっくりつかむ

最初に押さえておきたいのは「色がにごる一番大きな理由は、混ぜる色が多すぎること」という点です。
どんな画材でも、色を三つ、四つと重ねていくほど、彩度が落ちてグレー方向に近づいていきます。
そこに補色に近い色どうしが多く混ざると、一気にくすみやすくなります。
混色がにごる一番の原因は「色数の多さ」と「補色の混ぜすぎ」
混色が濁る典型的なパターンは次の二つです。
- 三色以上を均等に混ぜてしまう。
- 補色どうしを同じくらいの量で混ぜてしまう。
例えば、黄色に少しだけ青を混ぜてきれいな黄緑を作ったところに、さらに赤や紫を足していくと、あっという間にくすんだ灰緑になります。
これは色相環で見ると、ぐるっと一周するような色を全部混ぜてしまっているのに近い状態です。
補色どうしの混色は、ほんの少しだけなら彩度を落として落ち着いた色にできますが、同じくらいの量を混ぜると中間のグレー寄りに寄っていきます。
【にごりやすくなる混色パターンの代表例】
| 混ぜ方の例 | よく起こる結果 | どこが危険かのポイント |
|---|---|---|
| 黄+青+赤を同じくらい | くすんだ茶色や濃いグレーになる | 三原色を均等に混ぜてしまっている |
| 緑に赤をたっぷり足す | 彩度の低い灰緑になる | 補色どうしをほぼ同量で混ぜている |
| 好きな色を少しずつ足し続ける | どんよりした同じような色になる | 色数が四色以上に増えている |
| にごった色にさらに別の色を足す | さらに暗く、重くなる | 彩度が落ちた色をベースにしている |
(出典:BotanicalArt.jp)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。
にごらせたくないときは「できるだけ二色まで」「どうしても三色目が必要なら、ごく少量だけ」という意識に切り替えるだけで、かなり安定してきます。
ここがポイント:
色がにごるのは「センスがないから」ではなく「混ぜる色数が多すぎる」ことがほとんどなので、まずは二色までに絞る意識を持つと混色のストレスがぐっと減ります。
にごらない混色の黄金ルールは「2色+αまで」と「明度・彩度を意識すること」
にごらない混色の「黄金ルール」は、次の三つです。
- 基本は二色混色をベースに考える。
- 三色目はほんの少しだけ足す。
- 明るさと鮮やかさを意識して、暗くなりすぎたら元の明るい色を足して調整する。
例えば、黄とシアン系の青で明るい緑を作ったら、その二色でまず満足できる緑を見つけます。
そこに影色として少しだけ赤や紫を混ぜると、一気に深みのある緑になりますが、この「少しだけ」を守ることがにごり防止の鍵です。
明度が下がりすぎたと感じたら、暗い色をさらに足すのではなく、元の明るい色や白(画材によっては紙の白やホワイトの絵具)で戻すようにすると、色が死ににくくなります。
実践ポイント:
「三色目はスパイス程度」と考え、混ぜてから後悔しないように、別の場所で試し塗りしてから本番の混色に加える習慣をつけると安心です。
水彩・アクリル・油絵具に共通するパレットの使い方と試し塗りの基本
画材ごとに性質は違いますが、共通して意識したいパレットの使い方があります。
- 混色する場所と、元の色を置く場所を分けておく。
- 必ず紙やキャンバスの端で試し塗りをしてから本番の色を使う。
- 一度にたくさん混ぜず、少量ずつ様子を見ながら色を足す。
パンやチューブの色そのものだけを見ていると、実際に水やメディウムで伸ばしたときの色との差が大きく感じられます。
試し塗りをこまめに挟むことで、「今どれくらい暗くなっているか」「乾いたらどう見えそうか」がわかりやすくなります。
要点まとめ:
パレット上で完璧な色を作ろうとせず「試し塗りをしながら調整していく」スタイルに切り替えると、どの画材でもにごりのリスクをかなり減らせます。
水彩絵の具の混色で透明感を守るコツとにごりにくい組み合わせ

透明水彩の混色では「紙の白をどれだけ活かすか」が透明感の鍵になります。
同じ色でも、水を多めにして紙の白を透かすほど、軽やかでにごりにくい印象になります。
透明水彩ならではの「紙の白を残す」混色と重色の考え方
透明水彩では、二つの混ぜ方を意識しておくと整理しやすくなります。
- パレット上で色を混ぜる「混色」。
- 紙の上で色を重ねる「重色(レイヤー)」。
同じ二色でも、パレット上でしっかり混ぜるより、薄く塗った色の上からもう一色を重ねた方が、透明感は残りやすいです。
例えば、レモンイエローを薄く塗った上からシアン系の青を薄く重ねると、紙の白を透かした軽い緑になります。
逆にパレット上で黄色と青をしっかり混ぜてしまうと、紙の白が見えにくい分だけ、少し重い緑になりがちです。
ちょっと深掘り:
「透明感が欲しいときは重ね塗りを多めに」「しっかりした色面が欲しいときはパレット混色を多めに」という使い分けを覚えると、水彩の表現に幅が出てきます。
透明色・不透明色を知ると水彩の混色がにごりにくくなる
水彩絵具には、同じような色でも「透明色」「半透明色」「不透明色」があります。
透明色どうしの重ね塗りは、紙の白を生かしながら色を重ねられるので、比較的にごりにくい傾向があります。
一方で、不透明色や白を多く含む色は、重ねるほど紙の白を覆い隠してしまい、重く見えやすくなります。
【透明水彩での混色OK・NG組み合わせ早見表】
| 組み合わせの例 | 結果の傾向 | 調整のヒント |
|---|---|---|
| 透明イエロー+透明ブルー | 明るく澄んだ緑になりやすい | 水を多めにして重ね塗りを意識する |
| 透明ブルー+透明レッド | 透明感のある紫になる | 濃くしすぎると暗く見えるので薄塗りから試す |
| 不透明イエロー+不透明ブルー | 重めの緑になりやすい | 紙の白を残す塗り方を優先する |
| 透明色+白多めの色 | 彩度が落ちてパステル調になる | 透明感を保ちたいときは白の量を最小限にする |
(出典:ホルベイン工業)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。
透明色中心でパレットを組んでおくと、にごりにくい混色がしやすくなります。
覚えておきたい:
「きれいな発色を優先したい日は透明色中心」「マットで落ち着いた印象を出したい日は不透明色中心」と、その日のテーマで色選びを変えると、水彩の混色がかなりコントロールしやすくなります。
水彩絵の具の混色で避けたいNGパターンと実際のにごり例
透明水彩でにごりやすいのは、次のような場面です。
- 濃い色の上に、さらに別の濃い色を何度も重ねているとき。
- 影色づくりで、補色どうしを同じくらいの濃さで重ねたとき。
- にごった色を塗り重ねて、さらに暗くしてしまうとき。
例えば、明るい空色の上に、補色に近いオレンジや赤紫を何度も重ねると、青さが抜けてグレー寄りのくすんだ色になります。
暗くしたいときは、最初から暗い色を重ね塗りするのではなく、彩度を少し落とした青や、同系色の濃い色を重ねた方が透明感を保ちやすいです。
失敗しないコツ:
「暗くしたい=補色を足す」ではなく「まずは同系色の濃い色を重ねる」「どうしても足りなければ補色をほんの少しだけ」という順番で試すと、透明感を守りやすくなります。
アクリル絵具の混色で思った色を出すための乾き方・重ね方の工夫

アクリル絵具は「乾くと耐水性になる」という性質が混色に大きく関わってきます。
濡れている間は水彩のようにブレンドできますが、一度乾くと上に重ねた色がほぼそのまま乗るので、重ね方の計画が大切です。
アクリル絵具は速乾性と耐水性を踏まえてパレット設計をする
アクリルは、放っておくとパレット上でどんどん乾いていきます。
そのため、次のような工夫をしておくと混色が安定しやすくなります。
- 一度に出しすぎず、必要な量だけ小分けに出す。
- よく使う色は、混色用とそのまま使う用に分けて出しておく。
- 必要に応じて遅乾メディウムを使い、ブレンドできる時間を少し延ばす。
パレット上の色が半乾きになっている状態で無理に混ぜると、ムラが出てにごったように見えることがあります。
「ブレンドしたい色は早めに混ぜて使い切る」「重ね塗りで色を変えたい部分は、乾いてからはっきり乗せる」と割り切ると、結果が予測しやすくなります。
判断の基準:
色をなじませたいときは「濡れているうちに仕上げる」、くっきり重ねたいときは「一度乾かしてから塗る」と分けることで、失敗しづらくなります。
アクリルでにごらないための混色比率とメディウムの選び方
アクリルの混色でも、基本は水彩と同じく「二色まで」「三色目は少しだけ」が安心です。
そこに、メディウムの量が加わります。
ツヤ消しのメディウムを多く入れすぎると、彩度が落ちて少し白っぽく、にごった印象になることがあります。
逆に、グロスメディウムを適度に使うと、透明感やツヤが増して色が生き生きと見えやすくなります。
【アクリル絵具の混色で意識したい要素比較】
| 要素 | 色への主な影響 | にごらせないための工夫 |
|---|---|---|
| 混ぜる色数 | 多いほど彩度が落ちる | 二色を基本にして三色目は少量にする |
| 水の量 | 多いほど薄くマットになる | 透明感を出したいときはメディウムも併用する |
| マットメディウム | 彩度が落ちて白っぽくなる | 入れすぎず、必要最低限に抑える |
| グロスメディウム | ツヤと透明感が増す | にごり気味の色に少量混ぜて様子を見る |
(出典:ターナー色彩)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。
意外な落とし穴:
「とりあえずマットにしたい」とマットメディウムをたくさん入れると、一気に色がくすむことがあるので、少量ずつ様子を見るのがおすすめです。
アクリルならではの「下地の色も計算した」重ね塗りのコツ
アクリルは一度乾けば上から塗った色がはっきり乗るので、「下地の色+上に乗せる色」の組み合わせを意識すると、にごりを逆に味方にできます。
例えば、ややグレー寄りの緑を下地に塗っておき、その上から少し鮮やかな黄緑を重ねると、落ち着きと明るさが両立した色面になります。
このとき、下地も上の色も、パレット上で混ぜすぎないようにしておくと、それぞれの色の良さを活かした重ね塗りになります。
一言まとめ:
「パレット上では二色まで、画面上では何層重ねてもいい」という感覚で、アクリルの速乾性と重ね塗りのしやすさを活かすと色の奥行きが出てきます。
油絵具の混色は「パレット上」と「キャンバス上」の使い分けが鍵になる

油絵具は乾燥がゆっくりで、長時間のブレンドやぼかしができる一方、パレット上で混ぜすぎるとすぐに重くなりやすい画材です。
そのため「どこまでパレットで混ぜるか」「どこからキャンバス上でぼかすか」の役割分担がとても大切になります。
油絵具は「混ぜすぎ注意」と「薄塗りのグレーズ」で色幅を出す
油絵具のにごりを防ぐ基本は、次の二つです。
- パレット上では二色をベースにして、混ぜすぎない。
- 彩度を落としたいときは、グレーズ(薄く透ける層)を活用する。
例えば、鮮やかな青の上から、薄く溶き油で伸ばしたオレンジを重ねてグレーズすると、画面上で補色どうしが混ざって落ち着いた色味になります。
これをパレット上でがっつり混ぜてから塗ると、一気にくすんだグレーになりやすいです。
【油絵具の混色とグレーズの使い分け早見表】
| 目的 | パレット上での混色 | キャンバス上での重ね塗り(グレーズ) |
|---|---|---|
| 鮮やかな色を作る | 二色まででしっかり混ぜる | 下地はできるだけシンプルな色にする |
| 落ち着いた色にする | 彩度の低い色を少し混ぜる | 補色気味の色を薄く重ねて調整する |
| 暗くしたい | 同系色の暗い色を足す | 透明な暗色を薄く重ねて段階的に暗くする |
(出典:ホルベイン工業)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。
見逃せないのが:
油絵具は「重ねるたびに色が育っていく」画材なので、一度で完成させようとせず、グレーズで少しずつ色を深めていくと、にごらず豊かな色になります。
油絵具の乾燥の遅さを活かしたブレンドとぼかしのテクニック
乾きが遅い油絵具は、画面上でのブレンドやぼかしに向いています。
例えば、明るい肌色と影色の境目を、筆や指、綿棒などで少しずつなじませることで、パレット上では作れない微妙なグラデーションが得られます。
このときも、パレットでは二色程度のシンプルな肌色を作っておいて、画面上で影色や赤みを少しずつ足すとにごりにくくなります。
実践ポイント:
「細かい色のニュアンスはキャンバス上で作る」という意識で、パレットではシンプルな色、画面上で複雑な色、という役割分担をしておくと混色が安定します。
パレットナイフ・筆・溶き油で変わる混色の表情を整理する
油絵具は、混ぜる道具や溶き油の量によっても表情が変わります。
- パレットナイフでしっかり混ぜると、均一でどっしりした色になる。
- 筆でざっくり混ぜると、ストロークごとに色のばらつきが残り、表情豊かになる。
- 溶き油を多めにすると、透明度が上がり、グレーズに向いたさらりとした色になる。
どれも正解なので、自分が欲しい仕上がりに合わせて使い分けることが大切です。
要点:
均一な色が欲しいときはパレットナイフと少なめの溶き油、透明感やツヤを活かしたいときは筆と多めの溶き油というように、道具と溶き油の量をセットで考えると、狙った混色に近づきやすくなります。
水彩・アクリル・油絵具の違いで変わる混色の考え方を一覧でチェック

ここで一度、水彩・アクリル・油絵具の「混色に関わる性質」を整理しておくと、自分に合う画材と混色スタイルが見えやすくなります。
同じ緑を作るにしても、水彩で透明に作るのか、アクリルでマットに作るのか、油絵具で厚みのある色にするのかで「正解の混色」が変わってきます。
【水彩・アクリル・油絵具の混色に関わる基本スペック比較】
| 項目 | 水彩絵の具 | アクリル絵具 | 油絵具 |
|---|---|---|---|
| 透明度の傾向 | 透明〜半透明が多い | 半透明〜不透明が多い | 半透明〜不透明が多い |
| 乾燥時間 | 数分〜十数分 | 数分〜数十分 | 数日〜数週間 |
| 耐水性 | 乾いても水で動きやすい | 乾くと耐水性になる | 乾くと油にのみ溶ける |
| 修正のしやすさ | 水である程度持ち上げ可能 | 乾いてからの修正は塗り重ね中心 | 乾いてからも削る・塗り重ねなど多様な修正が可能 |
| にごりやすさの傾向 | 重ねすぎると紙の白が隠れて重くなる | 色数とメディウム次第でマットにくすみやすい | パレット上で混ぜすぎると重くなりやすい |
(出典:世界堂オンラインショップ)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。
この表を踏まえると、次のようなざっくりした相性が見えてきます。
- 透明感やにじみを重視したいなら、水彩で重ね塗りを中心に混色する。
- マットでグラフィカルな表現が好きなら、アクリルで二色混色+重ね塗りを軸にする。
- 厚みや質感のある色でじっくり描きたいなら、油絵具でグレーズとブレンドを組み合わせる。
また、緑の混色についてさらに深く知りたいときは、親記事で具体的な組み合わせと作り方をチェックすると理解がつながりやすくなります。

判断の基準:
「にごらせたくない」「透明感を残したい」という人は、透明度が高い画材と少ない色数の混色を選び、「マットな質感が好き」という人は、あえて不透明色やマットな画材を選ぶと、自分の好みに合った混色スタイルが見つかりやすくなります。
混色で失敗しやすいパターンと色がにごったときの立て直し方

ここからは、具体的な「失敗パターン」と「立て直し方」を見ていきます。
にごりは完全な失敗ではなく、「次に同じことを繰り返さないための手がかり」として整理しておくと、混色チャートづくりにも役立ちます。
ありがちな失敗1:グレーっぽくくすんだときの立て直し方
一番多いのは「何色も足しているうちに、よくわからない灰色になってしまった」というパターンです。
この場合は次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 使った色を思い出して、色数を二色程度まで絞り直す。
- 同じ系統の明るい色を少し足して、彩度を戻せないか試す。
- どうしても戻らない場合は、その色を影色や背景色として活かす用途を探す。
完全に元に戻すことは難しくても、「この組み合わせだとここまでくすむ」という実例としてメモしておくと、次の混色で同じルートを避けられます。
迷ったらここ:
にごった色を捨てる前に「影や遠景に使えないか」「背景として悪くない色か」を一度だけ考えてみると、失敗がそのまま色バリエーションに変わることがあります。
ありがちな失敗2:肌色・緑・空色などテーマ別のにごりやすい色
肌色や緑、空色などは、よく使う分だけにごりやすい代表的な色です。
- 肌色での失敗
赤や茶色を足しすぎて、土っぽく濁ってしまう。 - 緑での失敗
黄と青に赤を足しすぎて、灰緑になってしまう。 - 空色での失敗
補色方向のオレンジやグレーを混ぜすぎて、青さが消えてしまう。
これらは共通して「補色や黒、グレー系を足しすぎている」ことが多いです。
まずは二色混色で満足できる色を見つけ、三色目は「ほんの少しだけ」から試すのが安全です。
注意点:
肌色や緑など、よく使うテーマカラーこそ「自分なりの二色ベース」を決めておき、その組み合わせを基準にバリエーションを増やしていくと、にごりにくくなります。
失敗を減らすために作っておきたい混色チャートと色見本
混色の失敗を減らす一番の近道は、自分の手持ち絵具で作った「混色チャート」を持っておくことです。
よく使う色どうしを縦と横に並べて、その交点に混色した色を塗っておくと、「この二色を混ぜるとこうなる」という実物の見本ができます。
さらに、その中から気に入った組み合わせだけを抜き出して「お気に入りパレット」としてメモしておくと、本番の制作時に迷いにくくなります。
【ありがちな失敗例と立て直し方の対応表】
| 状態 | 原因になりやすい混色 | 次回に活かすポイント |
|---|---|---|
| 全体が灰色っぽくなった | 三色以上を均等に混ぜている | 二色ベースに絞り、三色目は少量にする |
| 肌色が土っぽくなった | 赤や茶色、黒を足しすぎている | 黄と赤の二色ベースで作り、影だけ茶色を少し足す |
| 緑がくすんだ灰緑になった | 黄+青に赤を多く足している | 黄+青の二色で調整し、影は補色を少量だけ使う |
| 空色がどんよりした青になった | 青にグレーやオレンジを多く混ぜた | 青の明度を変えるか、グレーは別レイヤーで薄く重ねる |
(出典:BotanicalArt.jp)
※本内容は執筆時点。最新情報は公式サイト確認。
要点まとめ:
混色チャートや失敗メモを残しておくと、「感覚頼み」ではなく「自分の絵具セットに合わせた小さなデータベース」で混色を考えられるようになり、にごりがどんどん減っていきます。
まとめ
水彩・アクリル・油絵具の混色は、それぞれ性質が違うように見えて、実は共通するシンプルなルールの上に成り立っています。
一番大きなポイントは「混ぜる色を二色までに絞る」「三色目はスパイス程度にとどめる」という考え方です。
そこに、水彩なら紙の白と透明色、アクリルなら速乾性とメディウム、油絵具ならグレーズと乾燥の遅さといった、画材ごとの特徴を少しずつ足していくイメージです。
この記事のポイントを振り返ると次のようになります。
- 混色がにごる主原因は「色数の多さ」と「補色を混ぜすぎること」。
- 水彩は透明色中心にして、紙の白を残す重ね塗りを意識すると透明感を保ちやすい。
- アクリルは「濡れているうちの混色」と「乾いてからの重ね塗り」を分けて考えると結果が安定する。
- 油絵具はパレットで混ぜすぎず、グレーズや画面上のぼかしで色幅を出すとにごりにくくなる。
- 失敗した混色はチャートやメモに残しておくと、自分専用の混色辞書になっていく。
まずは、よく使う二色の組み合わせから「自分の基本ペア」をいくつか決めて、そこに少しずつ三色目のバリエーションを足していくところから始めてみてください。
そうすることで、どの画材を選んでも、にごらない混色の感覚が少しずつ手になじんでいきます。
よくある質問(FAQ)
Q. 水彩とアクリルと油絵具では、混色の基本ルールはどこが違いますか?
A. 混ぜる色数を二色までに抑える基本は同じで、違いは「重ね塗りのしやすさ」と「乾燥時間」です。水彩は重ね塗りで透明感を出しやすく、アクリルは速乾で重ねがくっきり、油絵具は乾きが遅く画面上でのブレンドが得意という違いがあります。
Q. 水彩絵の具とアクリル絵具を同じ絵の中で混ぜて使うとどうなりますか?
A. 一見塗れますが、乾くと水彩部分だけが水で動き、アクリル部分は動かないので扱いが難しくなります。下地をアクリル、上を水彩で塗ると、水彩側だけが後から滲んでしまうため、基本的には画材を分けて使う方が安定します。
Q. アクリル絵具の混色で、肌色やパステルカラーをにごらせずに作るコツはありますか?
A. 二色ベースで作り、白やマットメディウムは少量ずつ足していくのがコツです。最初から白やメディウムを多く入れると一気に彩度が落ちるので、黄+赤などの二色で肌色を作り、最後に少しだけ白で明るさを調整するとにごりにくくなります。
Q. 油絵具の混色で黒を足すとすぐくすみますが、黒を使わずに暗い色を作る方法はありますか?
A. 補色に近い色を少しだけ混ぜたり、同系色の暗い色を足して暗くする方法がおすすめです。例えば青を暗くしたいときは、黒ではなく同系統の濃い青や、少量のオレンジをグレーズで重ねると、色の深みを保ったまま暗くできます。
Q. 自分用の混色表は作った方がいいですか?作るならどんな順番がわかりやすいですか?
A. 作ると混色の失敗が目に見えて減るので、よく使う色どうしを縦と横に並べた表を作るのがおすすめです。縦軸と横軸に手持ちの色名を書き、交点に混色した色を塗る形にすると、「どの二色を混ぜるとどうなるか」が一目で把握できます。
Q. パソコンやスマホの色シミュレーションは、実際の絵の具の混色にも役立ちますか?
A. 色のイメージづくりの参考にはなりますが、絵の具の顔料や透明度までは再現できないので目安として使うのがよいです。画面上の色と実際の絵具の発色は違うことが多いので、シミュレーションでイメージを決めたあと、必ず手元の絵具で試し塗りをして確認することが大切です。
Q. グラニュレーションカラー(水彩)を混色するときに気をつけた方がいい点はありますか?
A. 粒状感を活かしたいなら、混ぜすぎずに単色かごく少ない色数で使うことが大切です。あまり多くの色を混ぜると、せっかくの粒子の表情が目立たなくなるので、グラニュレーションカラーは「見せ場」としてポイント使いするのがおすすめです。
参考文献・出典
- ホルベイン工業「透明水彩と不透明水彩〈ガッシュ〉の違いと使い方」
- HOLBEIN オンラインショップ「水彩絵具」
- 世界堂オンラインショップ「アクリル絵具の基礎知識と可能性」
- ターナー色彩株式会社「アクリルガッシュ」製品情報
- BotanicalArt.jp「濁る原因、濁らないための透明水彩絵具の使い方(PDF)」
