賃貸でできる窓断熱|カーテンとプチプチでお部屋がぬくもる簡単DIY術

お部屋の温度が変わりやすい一番の原因は“窓”。
なんと、部屋の熱の約6割は窓から出入りしているんです😲

でも安心してください。
カーテンとプチプチを使えば、動かない空気の層=“断熱のバリア”を簡単に作れます。
この空気層が、外の暑さも寒さもゆっくりしか伝えなくしてくれるんです。

つまり、夏は日差しをカット🌞、冬は冷気をブロック❄️
エアコンの効きもよくなって、電気代まで節約できちゃいます💡

目次

賃貸の窓断熱をカーテンとプチプチで組み合わせる理由

最小の道具で最大の効果を狙うなら、熱を伝えにくい“空気”を味方にします。窓はガラスや金属フレームを通じて熱が伝わりやすく、室内外の温度差が大きいほど損失が増えます。ここで重要なのが、室内側に「動きの少ない空気の層」を何枚も重ねること。空気層は対流が抑えられるほど熱が伝わりにくくなり、夏は日射熱の侵入を、冬は室内の熱の流出をゆっくりにします。

この“空気層の積層”を簡単・安価・非破壊で作れるのが、断熱カーテンライナーとプチプチの二本立てです。ライナーは窓とカーテンの間にもう一枚の幕を足して空気層を増やし、プチプチは凹凸の気泡で静止空気を面全体に抱えます。どちらも「貼らない・穴を開けない」運用が可能なので、賃貸での心理的ハードルが低く、季節が変われば外すだけで現状復帰できます。

賃貸の窓断熱をカーテンとプチプチで実践する手順

以下は、原状回復の観点と熱的な効率の観点の両方を満たす構成です。道具はホームセンターや通販で揃います。

ステップ1:断熱カーテンライナーで“第2の幕”をつくる

  1. カーテンレールのランナーに付属のリングを掛け、ライナーを吊るします。
  2. 裾は床に10cm以上たわませ、床との隙間をなくします。
  3. レール上部に隙間が生まれないよう、カーテン側のフックは位置調整できるタイプを選び、できるだけ高い位置に。
  4. シングルレールの場合は、ランナーを増設して「ライナー→カーテン」を交互に掛けると空気層が安定します。ダブルレールなら、窓側にライナー、室内側にカーテンで二重化します。

ステップ2:プチプチを“貼らずに”吊って二重化する

  1. 窓枠の上に突っ張りポールを設置し、幅90cm前後のプチプチを二つ折りにして掛けます。
  2. 凸凹面は室内側に向け、上端はポールと枠の間に軽く挟み込み、上部の漏れを抑えます。
  3. 風でめくれないよう、側面を数か所だけマスキングテープで壁(枠)ではなくプチプチ同士を軽く留めます。
  4. 床側はあえて余らせて置くと、自重でサイドの密閉性が上がります。

ステップ3:最適な“層の順序”で熱移動を遅らせる

窓(屋外)→ プチプチ → プチプチ(二つ折り) → 断熱カーテンライナー → カーテン(室内)
この順序なら、最大で五層の静止空気を確保できます。日中は直射や眩しさ、夜間は放射冷却の影響をそれぞれ内側へ伝えにくくなります。

コスト・効果・原状回復リスクの比較

導入判断をしやすくするため、主要手段を整理します。

手法目安コスト原状回復のリスク仕組み可視性/採光メンテ性
断熱カーテンライナー1,000円~/窓低(吊るだけ)幕間の空気層で熱移動を遅らせる中(半透明~不透明あり)取り外し/洗浄が容易
プチプチ(吊り)数百円~/窓低(突っ張り+非粘着)気泡の静止空気+層の増設低~中(透けにくい)取り外しが容易
断熱フィルム(貼付)千円~/㎡中~高(粘着跡・剥離で論点)反射・吸収・放射率の制御中~高撤去に手間
内窓(樹脂サッシ)数万円~/窓低(賃貸は要許可)枠ごと熱橋を減らしU値を大幅改善高(ガラス選択可)恒久化・清掃必要

賃貸前提なら「吊る・挟む・重ねる」の2手法が総合点で優位です。恒久的な内窓は効果が圧倒的ですが、費用と許可のハードルが高め。貼付フィルムは性能が出やすい一方、退去時の粘着残りが争点になりがちです。

失敗しない“層づくり”のコツと、見落としがちなデメリット

コツ

  • 隙間管理:上端・床際・左右の“熱の抜け道”を減らすと体感が一段上がります。
  • 裾はあえて長め:床に溜まる冷気/熱気の滞留を抑えられます。
  • レール上の目張りはしない:賃貸では粘着を残さない工夫が肝心。突っ張り・挟み込みで対処します。
  • 昼夜の運用:夏の昼は外側の層を閉めて日射遮蔽、夜は窓開け換気のタイミングでめくる。冬は終日閉めて放射冷却をブロック。

デメリットと対策

  • 結露のリスク:層が増えると窓側が冷えやすく、湿気が溜まることがあります。朝晩に換気、ライナーやプチプチを軽く開けて空気を入れ替え、濡れがあれば拭き取りを。
  • 採光と外の見通し:プチプチは視界を遮りやすいので、採光を重視する部屋はライナー中心に。
  • 火気・熱源:カーテン・プチプチは可燃材です。ヒーターの前やガス機器付近では十分な距離を保ちましょう。
  • 防犯・避難動線:腰高窓や掃き出し窓では、非常時に素早く開けられる吊り方にしておきます。

空気層が効く“熱の理屈”をやさしく整理

窓まわりの熱移動は、①ガラスや金属枠を通る伝導、②表面間の放射、③ガラス面近くの空気が動く対流の組み合わせです。静止した空気層は、3つすべてを少しずつ遅らせます。熱は温度差が大きいほど速く移りますが、薄い幕を挟んで空気を動かさないことが重要。ライナーやプチプチは“薄い壁”であると同時に、空気の動きを抑える仕切りでもあります。

予算別・窓タイプ別の設計プリセット

  • 最安重視(賃貸ワンルーム):プチプチ二つ折り+突っ張り、室内側に既存カーテン。まず1窓から試し、体感が良ければ全窓へ水平展開。
  • 昼間の採光重視(在宅ワーク):窓側に透明度高めのライナー、室内側に薄手カーテン。プチプチは寝室や廊下など視界不要な窓へ限定。
  • 寒冷地の掃き出し窓:窓→プチプチ→ライナー→厚手カーテン→予備カーテンの五層。夜間の足元冷えが劇的に緩和します。

さらに深掘り:物性値と市場動向の“使い方”

メーカーや公的資料が公開する数値は、厚さや条件でブレがあります。判断の要点は次の3つだけ。

  1. 材料そのものの熱の通しにくさ(熱伝導率)
  2. 実際の厚さでどれだけ通しにくいか(熱抵抗)
  3. 窓一式としての出入りのしにくさ(U値/熱貫流率)

賃貸の可動式対策では、1)と2)の組み合わせ=空気層を増やし、隙間を減らすことが実利です。恒久的に改善できる環境なら、窓フレームを含む3)の改善(樹脂製の内窓など)が最も効果的ですが、許可と費用の要件を満たせるかで選び分けましょう。

よくある質問

Q1. プチプチは“貼る”のと“吊るす”のはどちらが良いですか?

賃貸なら“吊るす”一択です。粘着跡やゴムパッキンの劣化が退去時の争点になり得るため、突っ張り+非粘着の構成が安全です。

Q2. 結露が増えた気がします。対策は?

層が増えるほど窓側が冷えやすくなります。朝晩に5分の換気、濡れの拭き取り、ライナーを少し開けて湿気を逃がす運用でバランスが取れます。

Q3. 夏は遮熱、冬は保温。季節で調整は必要?

必要です。夏は昼間に外側の層を閉じて日射をカット、夜は外気が涼しければ層を開けて排熱。冬は終日閉め、特に就寝前後の冷気侵入を抑えます。

Q4. 採光を保ちたいときの工夫は?

透明度の高いライナーを窓側に、遮像カーテンを室内側に配置すると、明るさと断熱の両立がしやすくなります。視界が不要な窓だけプチプチを併用します。

Q5. 子どもやペットがいると引っ張ってしまいます。安全策は?

下端は床で受けて余らせ、上部は突っ張りポールをしっかり固定。必要なら軽いクリップでライナーやプチプチ同士を数か所つなぎ、バタつきを抑えます。

まとめ

賃貸で窓断熱を底上げする最短ルートは、断熱カーテンライナー×プチプチで“静かな空気層”を何層も作ること。貼らない・穴を開けないから原状回復の不安が小さく、季節運用も自在です。隙間管理と結露ケアさえ押さえれば、体感は確実に変わります。まずは1窓、最も暑さ寒さを感じる場所から始め、良ければ家中へ。費用対効果の高い“賃貸専用チューニング”として定番化させましょう。

参考情報・出典

  1. 賃貸でもできる5重の窓断熱で夏の暑さ&冬の寒さ対策(リフォームDIYの秀位再生 工場) (YouTube)
  2. 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)PDF (国土交通省)
  3. 断熱性|技術基準・関連法規(窓からの熱移動の比率解説) (YKK AP)
  4. Thermal Conductivity of Air(代表値の一覧) (ハイパー物理学)
  5. Polyvinyl Chloride (PVC)|熱伝導率の測定データ (materials.fsri.org)
  6. コンクリート養生用保温プチプチ|仕様(熱伝導率の記載) (iPros)
  7. ポリエチレンフォームの断熱性能(代表値まとめ) (iny.jp)
  8. 建材の断熱指標の基礎(熱抵抗R・U値の考え方)PDF (jfe-rockfiber.co.jp)
  9. 建材・サッシの性能整理資料(内窓のUg値に関する行政資料)PDF (経済産業省)

※本記事は上記YouTube動画の内容に、公式資料・メーカー技術資料・基礎データの追加解説を加えて再構成しています。

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